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このブログは、ほとんどが物語で構成されています。
楽しんでいただければうれしいです。
また、予告もなく削除する話もありますので注意をしてください。
プロフィール
名前:シャオチェイ
性別:女性
年齢:不詳
星座:さそり座
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2012年05月17日   お天気:
sprint
テーマ:sprint

心拍数を急激に上げながら丸内は前を普通に歩く石神の後に続いた。
「意外だね。」
隣の教室の扉の入口に立つと石神はクスリと笑いながらボソリと言った。
意外?
「意外って・・・何言ってんだよ・・・。」
そう平然と言いながらも丸内は足を震わせて、傍から見れば挙動不審で怪しい人物にしか見えない程緊張しているのが分かる。
全力で走ったわけでもないのに息苦しさを感じる位に心臓の鼓動が高鳴っているのに丸内は気が付いた。
「武蔵野居る?」
石神は扉の近くに座っていた生徒にそう緊張感も持たずに聞いた。
その男子生徒は手に持っていたシャーペンを机の上に置いて、教室の中を見回し始めた。
「居ないみたいだぜ・・・。」
そう言うと男子生徒は直ぐに置いたシャーペンを手に持ってノートに殴り書くように文を書き始めた。
石神の後ろから丸内はその生徒が書いているノートの中身を見た。
それは、先週自分のクラスで出された数学の宿題に似ていた。
「そっか・・・。ありがとう。」
石神はそれだけ言うと背中を向けて廊下の方へと出た。
「もうそろそろ、授業が始まるから休憩時間にもう一度行ったらどうかな?」
相変わらず小さい声でそう言うと、丸内に背を向けて教室の中へと入っていった。
居ないのか・・・。
その言葉が頭の中で何度も反響した。
「にゃー。」
その時、学校に居る筈のない猫の鳴き声が聞こえてきた。
驚きながら丸内は後ろを振り返ると、こっちに向かって三毛猫が走って来ていた。
「な・・・・。」
次に続く言葉を言い終わらないうちに猫は丸内の顔にダイブするように抱きついてきた。
「にゃ、にゃー。」
嬉しそうな鳴き声を上げながら三毛猫は床に倒れ込んだ丸内の顔の上で寛ぎ始めた。
「お前・・・人の顔の上で寛ぐな!!」
そう叫びながら丸内は顔の上に平然と乗っている猫の首根っこを掴んで無理やり引きはがした。
それと同時に猫は勢いよく丸内の顔を引っ掻き始めた。
「ニャー!!」
怒りに満ちた鳴き声を上げながら猫は強く抵抗する。
「何だよ、お前!やる気か?」
怒りを込めた声で猫相手にそう言った。
そのとき、右手で持っていた猫の体重が急に軽くなった。
その瞬間、今まで殺気立っていた猫が急に大人しくなった。
そして甘える様な鳴き声を上げ始めた。
一体、猫にどんな変化が起きればそうなるのだろうかと思いながら丸内はその猫の後ろに視線を送った。男子生徒の制服を着ている女子生徒が、丸内を憎らしそうに睨んで猫の後ろに立っていた。
「それ、お前の猫かよ?」
その女子生徒は無言のまま猫をしっかりと抱きしめると、そのまま廊下に尻餅をついたままの丸内を放っておいて教室の中へと入って行った。
「おい!お前の猫ならなんか謝罪の一つくらいはしてみろよ!俺、その猫のせいで怪我した・・・。」
言い終わらないうちに女子生徒は勢いよく教室の扉を閉めた。
それを見て丸内は勢いよく立ち上がり、閉められた扉を開けようと手を引っかけたその時、誰かに首根っこを掴まれた。
「誰だよ!!」
そう言いながら後ろを振り返ると、角刈り頭の田崎先生がニッコリと不気味な笑みを顔に浮かべながら後ろに立っていた。
「丸内・・・。チャイムはとっくの昔になってるぞ?」
その言葉を聞いて丸内の顔から血の気が引いた。
この学校には、チャイムが鳴っても席についてなかった場合・・・・特にこの熱血体育教師田崎に見つかった場合は放課後に校庭10周走らなければいけないというルールが存在する。
「俺には聞こえなかったんでセーフです!!」
苦笑いをしながら丸内は田崎の手から逃れようと必死にもがいた。
「俺の耳には聞こえたからアウトだ。」
ニッコリと怖さを感じられる笑みを顔に浮かべながら田崎はそう言った。
2012年05月16日   お天気:
恋まほし
テーマ:小説
15
睦月は木の陰からギリギリ二人が気付かないくらい離れた距離から様子をうかがった。
幼い俺は粋を楽しそうに日常的な会話をしている。
粋は本当に楽しそうな顔をしてそんな俺時間を過ごしていた。
そんな粋の姿を見ていると最後に会ったときの事が本当に嘘なのだろうかと疑いたくなる位にその場所に流れている時間は平和だった。
睦月は目頭が熱くなってきたことに気がつき、急いで服の袖口で目を抑えるように拭いた。
こんな平和な時間が何時までも続けばいいのにと睦月は何度も思った。
しかし、俺が今こんな状態なのはこの平和な時間が何時までも・・・無限に続くものではなく、有限なものだったからだ。
時間を遡ることで絶対にしてはいけないことは、その時代の自分が干渉していたものに絶対に干渉してはいけない。
何故なら、今存在している自分にどんな影響を及ぼすのか分からないからだ。
だから・・・今の俺は此処から立ち去らなければいけない・・・・。
でも・・・粋は・・・。
そう思うと睦月は唇を強く噛みしめた。
何も下げていない腰のあたりに拳を付けた。
「鬼子・・・・。鬼子・・・。」
遠くの方から聞き覚えのあるしわがれた声が聞こえてきた。
後ろを振り返るがそこには人の気配を感じない。
気のせいかと思い、また二人に視線を向けるがまたあの声が聞こえてきた。
その声を聞いて睦月は眉間に皺を寄せると苛立ち気に頭を掻きながらその声が聞こえてきた方へと向かって早歩きをした。
その声は睦月が前へと一歩づつ進むごとにだんだん大きさが増していった。
「鬼子・・・鬼子・・・鬼子は・・・。」
あの不気味で耳障りな声はそんな睦月の感情を無視して何度も気味の悪く感じられる単語を言い続ける。
「何処のどいつだ・・・。」
呟くように小声で睦月はその声の主を探した。
睦月の歩いていた場所は先程までの鬱蒼とした森から不気味で寒気の感じる空間へと変化していったように感じられた。
「鬼子は殺せ!!」
今度は耳の近くで老婆が懸命に叫ぶ声が聞こえた。
その言葉に怒りを感じた睦月は乱暴に生い茂っている草をかき分けた。
その草をかき分けた先に居たのは骨と皮だけの体で空に向かって大きく両手を伸ばしている老婆の姿が見えた。
歪な歯並びの老婆は後ろに立っている睦月の姿に気が付いていないのか、不気味な呪文を唱えながら何度も何度も両手を合わせて擦っている。
「おい・・・そこのお前・・・。」
露骨に不愉快そうな顔をしながら、睦月はそんな老婆に向かって話しかけた。
すると老婆は焦点のあってないように思える見開かれた瞳でそんな睦月を凝視した。
「お主・・・・その姿は・・・鬼の使いか?」
ケタケタと不気味な笑みを顔に浮かべながら老婆は言った。
その言葉はより一層に睦月の苛立ちをヒートアップさせた。
「こんな所でなにしてんだよ。」
静かに、体を微かに震わせながら妖怪にも見えるそんな老婆に問いかけた。
「その身なり・・・南蛮の鬼か?」
そう言いながら老婆は物騒な太い釘を手に取り、先を睦月に向けた。
その老婆の近くには昔見たことのある刀が置かれていた。
「んなわけねぇだろ?こんな変なところで何してんだよ?」
「南蛮の鬼め!この私が退治してやる!!」
老婆は睦月の言葉を無視して勢いよく飛び掛かってきた。
身の危険を感じた睦月は勢いよく後ろに一歩下がり、そのまま老婆に背中を向けてその場から立ち去った。
逃げている最中、狂った老婆の笑い声が睦月の背中に当たった。
その声に不気味さを感じながら睦月は歯を食いしばりながら逃げた。
2012年05月09日   お天気:
宵月
テーマ:宵月
二十六、
「これが・・・俺らの知る全てだ・・・。」
真剣な表情で額に汗を浮かべながら顛聯は黙ってその言葉に耳を傾けている珠玉に言った。
顛孟はそんな兄の後ろにぴったりと付き添うように立っている。
「今更どの面下げてやって来たんだ?お前なんかいなくても僕一人で何とかできる。」
不機嫌そうに眉間に皺を寄せながら珪は言った。
「この首の傷の意味が分からなかったのか?」
溜息交じりに珠玉は珪を見た。
そして、少し恐怖に顔を歪ませているあの兄弟に視線を移す。
「何だよ。お前がただ単に変な奴らにカツアゲされそうになっただけの話だろ?」
相変わらず表情を変えずに珪は言った。
すると珠玉は深い溜息を吐きながら頭を抱えた。
「なら、なんで俺は目を閉じて歩く必要があると思ってるんだ?」
その声は半ば投槍気味にも聞こえた。
「そんなの、お前が好き勝手にやってることだろ?」
そう言いながら珠玉を指さして見せたが、当の本人はもう珪の方を見向きもせずにあの兄弟と向き合って何かを話しあっている。
そんな光景を見て珪はさらに腹を立てた。
「おい!お前が言った問題に丁寧に僕は答えてるんだぞ?」
すると珠玉は面倒そうに珪の方を振り返った。
「これは問題でもなんでもない。お前が理解してるだろうと思って言ったんだ。」
また溜息を吐いて珠玉は珪と向き合った。
「お前はもう慣れてしまったかもしれないが、俺のこの目は異質な存在だ。だから、そう簡単にこの瞳の色を知られると色々とまずいんだ。」
言いながら珠玉は何故か視線を地面に向けてしまった。
まるで何か重大な秘密を隠している様な素振りにも見える。
「それで・・・何か方法でもあるのか?」
顛聯は真剣な顔をしながら珠玉に聞いてきた。
顛孟も同じ心境なのか同じ様な顔をして珠玉を見つめた。
「それ・・・12年前のことだろ?」
急に表情が曇ったようにも見えた。
二人はコクリと頷いた。
「なら・・・それに関わった奴らのことなら知ってる。」
その瞬間、二人の顔が変わった。
「誰なんだ!誰なんだよ!!」
珠玉を問い詰める様に両肩を掴んで激しく揺すった。
そんな顛聯の両手を掴み、無理やり引きはがした。
「お前らは・・・犯人が見つかったその後、如何する気だ?」
すると顛聯は凶悪そうな顔をして見せた。
「そんなの・・・俺らが味わった苦しみを味わわせるだけのことだ。」
すると珠玉は酷く辛そうな顔をして見せた。
2012年05月04日   お天気:
宵月
テーマ:宵月
二十五、
オレンジ色に染まる空の下、珪は地面に手をついて項垂れた。
「ご、ごめん・・・・。」
申し訳なさでいっぱいの気持ちで二人に全力で謝る。
「いえ、協力してくれただけでも感謝ですよ。」
苦笑い気味に顛聯はそう言った。
その言葉がいっそう珪の心を抉った。
おかしい・・・。
あんなに叫べば誰かが名乗り上げてくる筈なのに・・・誰一人としてそんな事をしてくる人たちは居なかった。
それどころか皆叫び続けている珪を遠巻きにしながら道を歩いて行く。
酷い時は顔を顰めながらクスクスと冷たい笑みを浮かべながら通り過ぎて行く人もいた。
「一体・・・何がいけなかったんだろ・・・。」
目に少し涙を溜めながら地面に生えている草を強く握りしめる。
「全てじゃないのか?」
面倒そうなあの男の声が聞こえてきた。
その言葉に反応するように珪は勢いよく顔を上げた。
木に体を寄り掛からせながらそっぽ向いている珠玉の姿が見えた。
「お前、何しに来たんだよ。もしかして、からかいに来たのか?」
今まで沈殿していた怒りがまた浮き上がってきた。
「お前に文句を言いに来ただけだ。」
ニッコリと不気味と思える位の笑みを顔に浮かべながら珠玉は言った。
も、文句?
「あんなに街中で人の目も気にせずにあんな大声を上げて・・・。お前のおかげで色々な奴に目を付けられて大変だったんだが?」
苛立ちにも似た様な声で珠玉は首を指して見せた。
首には何かに絞められたような跡が見えた。
「そ、そんなの、協力する気の無かったお前が悪い!!自業自得だ!!」
「自業自得もなにも、それに強制義務はないはずだろ?」
そう言いながら地面に座り込んでいる珪を見下ろすようにして珠玉は前に立った。
「そ、その目・・・。」
そのとき、顛聯の驚く声が聞こえてきた。
「あ、兄者・・・。」
同じような声がまた聞こえてきた。
「安心しろ。お前らが俺の秘密を守ってくれる限り手は出さない。」
二人を見ずに珠玉は言った。
その言葉を聞いてなのか二人は唾を飲み込んだ。
「もしかして・・・協力してくれるのか?」
二人はまるで切れてしまいそうな紐を慎重に触るような緊張感を持った声で言った。
それに対して珠玉は口元に笑みを浮かべた。
2012年05月03日
木野島サーカス団〜温かいモノを探して〜
テーマ:サーカス

「ギシシシシシシシシ!」
クウイと二人で食堂からでるとあの不気味で性格の悪いバトロンの笑い声が聞こえてきた。
二人は関わりたくないという気持ちを強めながら、その笑い声とは反対方向に向かって歩いた。
「君達、何処へ行くのかな?」
しかし、二人の気持ちを裏切るかのように直ぐ後ろからバトロンの声が聞こえてきた。
これは振り返らなければいけないのだろうかと思いながらデルは冷や汗を顔に浮かべながら立ち止まった。
きっとクウイもそうしただろうと思ったが、隣に居る筈の彼の姿が何処にも無かった。
「え?ク、クウイ?」
驚きながら進行方向の先を見てみると、全力疾走をしながらここから離れて行くクウイの姿が見えた。
「に、逃げた!!」
そう大きな声で叫びながらデルもバトロンから逃げようと走り出したが、右肩を強く掴まれて阻止された。
「ギシシシシシシシシシ!!何故、逃げるのかな?」
怒っている様にも感じられるバトロンの声・・・。
ゆっくりと恐怖に駆られながらデルは後ろを振り返った。
あの真っ白い肌に、何でも吸い込んでしまいそうな丸くて黒い瞳に、白髪のボブヘアー・・・。
そして、背中に当たるほど突き出たお腹・・・。
バトロンは不気味な笑みを顔に浮かべながら恐怖のおかげで顔が固まっているデルの顔を覗き込んでいる。
「普通はあいさつをして吾輩に敬意を示すものではないのかね?」
相手を威圧するような声色でバトロンは言った。
その言葉を聞くだけで背筋が震えた。
「す、すいません・・・。」
バトロンの恐怖にすっかりまいった様子でデルは言った。
「これだから最近の若者は駄目なんだ。君のその態度でこのサーカスの秩序を乱さないでくれるかな。サーカスは集団行動が命なんだ。君のその行動のせいでこのサーカスが空中分解してしまったらどうするつもりなのかね?」
あの恐怖しか感じさせない黒い不気味な目がデルを睨みつける。
「そうなったら、街中で大道芸でもして荒稼ぎするよ。それでもって、また再結成する。」
後ろから場違いとも思える様な陽気な声が聞こえてきた。
「ほら、」
その声はデルの後ろから聞こえてきて、肩を掴んできた。
「昔みたいにさ・・・。」
クスリと人をあざ笑う様な声が聞こえてくる。
バトロンは眉間に皺を寄せながらデルの後ろを睨みつける。
「それでも、こんな事がまた起こる可能性はある。そしたら、またそれを繰り返すのかい?それは時間の無駄ではないのかね?」
するとデルの横からあの夢の中で出てきた顔なさんが姿を現した。
「同じことを繰り返さない努力はするよ。」
琥珀色の瞳で・・・あの顔なしさんと同じような顔立ちで彼は言った。
「このサーカスの目的は、見る物すべてに楽しい時間と空間を与えること。例え、場所とかが変わったとしてもその目的さえあれば、このサーカスは生きていける。」
クスリと余裕の笑みを浮かべながら顔なしさんは言う。
「それを忘れないでくれるかな?」
するとバトロンは盛大な溜息を吐いて二人に背を向けた。
その背中にはピバリが爪を立てながら引っ付いていた。
「さて、チケットでもばらまきに行くか。」
そう言うと、ピバリを引き攣れて町へと向かって行った。
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